2022年4月17日放送の、がっちりマンデー!でドン・キホーテの特集がありました。
(株)PPIH グループ全体の年間売り上げは1兆7086億円といいますから超巨大小売店です。
ゲストは(株)PPIH 代表取締役社長CEO 吉田直樹さんです。
でも、なぜそんなに儲かっているのでしょうか?
目次
- 1 ドン・キホーテの秘密は㊙本「源流」にあった
- 2 「源流」にある理念
- 3 ドンキオリジナル商品「情熱価格」が売れている!
- 4 ドンキの海外の店舗
- 5 まとめ
ドン・キホーテの秘密は㊙本「源流」にあった
社員全員が読んでいるPPIHの経営理念が書かれた120P程の㊙本「源流」とはどんなものなのでしょう?
この「源流」はドン・キホーテの安田隆夫創業会長が、2011年に「会社の理念」「守るべき考え方」「熱い思い」を一冊にまとめたものなのです。
「源流」を2011年に作成して売り上げもどんどんアップしていきました。
「源流」は社員もアルバイトも全員読んでいる
社長も、もちろん熟読していますし、社員さんもボロボロになるまで読んで2冊目を愛用していたり通勤の電車の中でも読んでいるというものなのです。
「源流」にある理念
この「源流」を活用することで、なぜ売り上げが上がってきたのでしょうか?
「源流」は120ページある企業理念集で中味は、第一条は「高い志とモラルに裏づけられた、無私で真正直な商売に徹する」と記されていて、その条文に対する説明が細やかに書かれいます。
たくさんの活用シーンが番組で紹介されていました。
第三条 現場に大胆な権限委譲をはかり、常に適材適所を見直す
源流の教え ①お仕事ドンドン任せすぎ作戦
<MEGAドン・キホーテUNY岐阜店 アルバイト神谷文美さんの例>
文美
どんな商品をお店に仕入れるかアルバイトが決める事が出来る。
さらに安く仕入れた商品は利益を取るために「この売価なら売れる」という値段を決めることもアルバイトが出来る。
神谷さんは別店舗から異動後、担当の化粧品売り場の売り上げを2倍にしました。
第三条の「権限委譲」により任せられているのです。
*権限は丸投げすることが大前提である。
*明確な勝敗・タイムリミットが権限委譲の要件
と心得が細かく記載されているのです。
「権限委譲」で現場スタッフから生まれたもの
① ドンキ独自のPOP・文字
② キャラクターのドンペン君
③ 曲「ミラクルショッピング」
「小売業における仕事の優劣、能力を決定する最大の要因はスピードである」
源流の教え ②現場ではスピードが命
アルバイト神谷さんは、売り場でのお客様の会話を聞いて求められている商品がわかるとすぐに仕入れ先に問い合わせていました。
この教えにそって「スピード」を意識した仕事ぶりなわけです。
第5条 果敢な挑戦の手を緩めず、かつ現実を直視した速やかな撤退を恐れない
源流の教え ③どんどん挑戦!すぐ撤退
<ドン・キホーテ新宿東南口 アルバイト伊藤真吾さんの例>
伊藤さんが売り場のディスプレイの変更をしていました。
大きなぬいぐるみを売り場に天井から吊るして目立つ売り場になりました。
伊藤さんはなかなか売れなかった「サランラップ」をあれやこれやと場所を移動して何度となく失敗しました。
最終的に3階上りエスカレーター横で売れる事を発見し、売り上げが7倍になりました。
店長の藤内良太さんの話
売り上げが上がらなかった場合は即座に撤退します。
それで新しいものに挑戦する。
マネジメントの鉄則九か条禁止行為例 ④大名行列のような臨店行為
吉田社長はお店を回る時は一人で行っているのは、ちゃんと「源流」に書かれているからだと言います。
禁止行為!大名行列のような臨店行為
上の立場の者が、部下を取りまきのようにして従え、さも大名行列のような臨店を繰り返すことは決してあってはならない。
また現場(店)においても、過剰な対応でそれを迎えるようなことをしてはならない。
もちろん、暗にそうした行為を上の者が現場に求めるなどもってのほかである。
これは、まさに顧客最優先主義の対極にある、上司最優先主義という、当社においては最も恥ずべき行いである。
確かに、どの企業でも社長や役員が来るとなると大騒ぎになります。
特に大きな企業などはガードマン代わりに取り巻きがいるイメージがします。
「大名行列」と書かれると滑稽な感じがします。
まさに滑稽だよ!と言われているのでしょうね。
源流62P いかなる時も『主語の転換』を心掛け相手の立場で発想せよ
PB企画開発部の亀岡利真さんが、商品作りにおいて常に大切にしている言葉です。
「自分だけの思いだとお客様に伝わらないので、我々の環境とお客様の環境は違うので、お客様の立場になって考えたのか確認しています。」
源流76P 上司編 第一条 「威張るな」
亀岡さんは、これについても「私が言って、部下が委縮すると(相手の)立場になって考えられていないいないし、常に威張っちゃうと委縮しちゃうので常に目線は部下と同じ」
亀岡さんのコメントに対して部下の方は
「伸び伸びと仕事がしやすい、だからこそ仕事が面白い、楽しく仕事が出来る環境だと思います。」
吉田社長は上司編より部下編の方がもっと難しいと言います。
マネジメントの鉄則九か条 部下編 第三条 自分の意見をはっきり述べよ
権限移譲を旨とする当社において、職務上、自分が正しいと思う意見や主張があれば、上司に対しても、はっきり述べるべきである。
上司がそれをどう判断するかはケースバイケースだが、常に部下の意見に「聞く耳」を持つのが当社の上司の要件であるから、いらぬ遠慮をすることはない。
単に唯々諾々と命令に従うだけの部下ばかりでは、そもそも権限委譲が成り立たない。
確かに、慣れていないと怖くて上司に言えるものか?と難問にも思えますが、ドンキでは「源流」にあったので言わせて下さいと前置きすれば言えるかも知れませんね。
MCの加藤さんが上司編から見つけた禁止行為は「部下の話を途中で遮ること」でした。
マネジメントの鉄則九か条 「部下の話を途中で遮ること」
部下の真摯な意見や主張、あるいは懇願等に聞く耳を持たず、部下の話を途中で遮り、一方的なやり方や命令を押し通そうとするだけの上司は、そもそも権限委譲を旨とする当社の上司たる資格はない。
どのような話であっても、当社の上司たるもの、部下の思いを常に真剣に受け止め、少なくとも最後まで話を聞き、理解しようとする努力を怠ってはならない。
お互いに信頼してお互いに尊敬して、上下の関係ではなく循環しあう関係を築く教えだと吉田社長はコメントしていました。
この「源流」はドン・キホーテの海外進出の影響もあるのか、英語版も作成されています。
又「源流」の理念を伝える「源流試験」も行われています。
なかなか企業理念を末端の社員やアルバイトさんに浸透させるのも伝えるのも難しい中「源流」を通して企業での教育の分野も担っているのですね。
上司にも部下にも、どんな事が求められているのかお互いに知り合うというのは凄い取り組みで、あまり聞いた事がありません。
人権尊重の考え方や取り組みを「源流」を通して(株)PPIHでは推進しています。
参照:PPIHの公式HPはこちらです。
ドンキオリジナル商品「情熱価格」が売れている!
今、ドンキではオリジナル商品がぐ〜んと売り上げを伸ばしています。
それは「ド」の大きな文字が入ったドンキのオリジナルブランドなのです。
「情熱価格」といった商品になっているのです。
食料品、日用品、お菓子、ペット用品、寝具、自転車、衣料品など4000点以上のブランドなのです。
2020年の12月の売り上げで比べると、2021年の12月は前年比120%の伸びです。
昨年2021年2月に大リニューアルしたところ、売り上げがアップしました。
とにかく商品名が長いのが特徴です。
PB商品が独特!名前『長すぎ』作戦!
リニューアルして商品がどうなったのかという例が紹介されました。
チョコレート菓子の場合
*リニューアル前のパッケージの文字
やさしい甘さのチョコケーキ チョコクリームをサンドしました。 10個 個包装
の文字が印刷されていました。
*リニューアル後のパッケージの文字
お待たせしました!10秒に1個のペースで食べられる冬の大人気商品が今年も登場!
やさしい甘さで、多くの人がリピーターになっています。
まずはチョコっと試してみて!
やさしい甘さのカカオケーキ 10個 個包装
Sweet Cacao cakes
すごく長くなっていますよね、文字の大きさなどを変えているので長くても、意外と読んでしまうかもしれません。
商品名なのにPOPがそのまま商品名になっていてPR力を感じますね。
商品名はどのように作られているのか?
本社での、ネーミング会議の取材がありました。
今回は「紅ショウガ味のおせんべい」のネーミング会議でした。
社員から事前にアンケートをとったところ、ほとんどのアンケートが「美味しい」と回答されていました。
ホワイトボードに意見を書き込んでいきます。
*全員がおいしいと言った。見た目にだまされないで!カットサイズ。
*半年かかった、何度も試した。さっぱりおつまみ、脇役がまさかの主役
*練り込み、何度も、油っぽくない、食べたらがっつり紅ショウガの味
*絶対においしいと言わせたい。最後までおいしい。練り込みをするのは珍しい。
30分ほどでたくさんのキーワードが社員からもメーカーからも出ました。
最終決定ネーミング
最後まで美味しい紅生姜せん
「生姜好きに」絶対に「美味しい」と言ってもらいたい。
生地に練り込む「紅生姜のカットサイズ、配合比を何度もやり直し半年、、、。
老舗米菓メーカーのプライドとドンキの情熱からついに完成
あのホワイトボードから生まれたネーミングです。
もう、ドンキには並んでいるようです。
商品のネーミングに大事な事
*作り手の熱が伝わる言葉を選ぶ
商品ネーミング例
*からあげ好きの担当者が試食に試食を重ねてたどり着いた美味しさ!
*ナッツを愛しすぎた担当者が独断と偏見で決めた。
熱が伝わりやすいキーワード
「担当者」や「何度も」を入れると熱が伝わりやすい。
ドンキの海外の店舗
実はドンキは、あまり知られていないけれど、どんどん売り上げを伸ばしているところが海外なのです。
2006年にハワイ 1号店を海外初進出でオープンさせました。
今ではアジアに30店舗、アメリカに65店舗展開しています。
海外事業は1690億円です。
海外のお店は「日本すぎ」が作戦!
海外のドンキは売っているものが日本と全然違っていました。
香港のドン・キホーテでの人気のお目当て商品は日本の美味しい食材です。
*福岡産や熊本産のいちご
*静岡産のマスクメロン
*近江牛 滋賀県産
海外では日本の食材が凄い人気で売れています。
その秘密は輸入品なのにお値打ち品であることなのです。
安さと美味しさの秘密は?
豊洲市場では朝7時から仲卸業者の(株)山治 山﨑康弘さんと(株)PPIHサポート部フレッシュフード 天内英樹さんがリモートでシンガポールのドンキの方と話しています。
(株)PPIH海外事業MD 渡辺和博さんが説明してくれました。
(海外在住)現場の仕入れ担当者とリモート商談をしています。
品定めは、商品をスマホで映して見せて細かいところは一緒に立ち会うドンキの担当者が確認します。
この後、香港、タイの担当者とも打ち合わせ、その後、梱包して空港へ持っていきます。
豊洲から直接海外に送るので仲買業者を挟まないので格安の仕入れが可能なのです。
千葉県成田市での取り組み
千葉県成田市で海外に輸出するための「いちご」の商談が行われていました。
*海外で売れるいちごとは、とにかく甘い物だと言うことで、形や色はこだわりがないのです。
このいちごのハウスは「JAL」が運営しているので、成田空港に至近距離で作っているので朝採れたものを、すぐに運べる利点があります。
ドンキの吉田社長はいつ社長に?
元々コンサルタント会社を経営してドン・キホーテの担当になり、安田隆夫創業会長の勧めで43歳の時に入社し、12年後に社長になりました。
その当時、英語が出来る人を会社が探していて安田会長に直々にスカウトされたわけです。
気になって吉田社長を調べてみました。
1964年12月・大阪市生まれ、国際基督教大学教養学部社会科学科出身
コンサルタント業や小売業の会社の取締役をいくつも経験し2012年にドン・キホーテの取締役になっています。
(株)PPIHの企業の取締役の経験も多いようです。
(参照:ウキペディア)
57歳に見えない若々しいく穏やかな感じの社長ですが、経歴を見るとかなりのやり手なんです。
調べていくと、ドン・キホーテのアルバイトさんが破格に時給が高いわけでもなく地域で賃金も違うようでした。
ただ、番組を見て働きやすいイメージがしましたし、ドンキの理念は他の仕事に就いた時にも役立つのではないだろうかと思いました。
今の職場の一番の問題点が「人間関係」だと言います。
上司が威張っていないだけでも嬉しいかも知れません。

視聴者プレゼント当選しました!
今回ドンキの社長から視聴者プレゼントがありました。
2022年6月13日に届きました!
がっちりマンデーと吉田社長有難うございます。
元々くじ運がないのでめちゃめちゃ嬉しいです!!
しかし番組にあったようにセールスロゴから熱い心意気が伝わって来ます。
まとめ
今回のドン・キホーテの特集は「源流」の本の理念が凄いと思いました。
なかなか職場の理念というものが、部下を含めて明確になっている職場は少ないものです。
社員からアルバイトさんまで「源流」の理念を浸透させている事に感心しました。
全部一度、読んで見たいのですが、関係者でないと手に入らないのが残念です。
これを作った会長ってやっぱり凄いですね。