リタイア後の生活

長寿大国の日本と【寝たきり老人がいないスウェーデン】の違いとは?

2022年3月に「北欧研究室」という北欧在住の女性二人が発信してるYouTubeチャンネルで「寝たきり老人がいないスウェーデン」についての、ゆるトークでしたが非常に興味深い物でした。

ご主人がスウェーデン人でスウェーデン生活も長い中、「ゆりかごから墓場まで」の福祉大国のスウェーデン事情を日本人の目線から解説してくれていています。

今後、自分自身もどんどん年を取っていきますから「老い」の情報には敏感になります。

「寝たきり老人」がいないとは何故なんでしょうか?

目次

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最新2021年の世界平均寿命は?

世界の平均寿命は、世界保健機構(WHO)によると、1位は「日本」で84.3歳です。

日本の女性の平均寿命は、86.9歳で、男性は81.5歳でした。

80歳以上は31か国で、スウェーデンは12位で、82.4歳でした。(2才ほど日本の方が長生きです)

182位は中央アフリカ共和国で53.1歳、183位はレソトで50.7歳となっています。

WHOに加盟している194か国のうちの183か国のデータです。

日本って、こうやってみると凄い数字ですね。

寝たきり人口はどの位なの?

周りを見渡したら、日本では病院や施設で寝たきりの高齢者の話を身近に聞きます。

日本は長寿大国であり、寝たきり人口大国でもあったのです。

この「寝たきり」とは日本独特の言い方なのでしょうか?

ウィキペディアによると

寝たきり(ねたきり)は、常時ベッドで仰臥、寝ている状態の人を表現する俗語である。医学会や医療行政機関による公的で明確な定義は確認されていない。

とあります。

なので、この寝たきりのきちんとしたデータは厚生省でもしっかり把握されていません。

古い資料で平成10年の国民生活基礎調査では、寝たきり者は35万6千人とありますが、もう24年前の資料ですので最近のはないようです。

しかし日本人にとって「寝たきり」という言葉は身近に感じます。

ただ、ネガティブな言葉でとらえているので「寝たきりに」にならないための健康法などが盛んに紹介されています。

65歳以上の人口数の増加

総務省統計局によると、2021年9月15日現在推計では、65歳以上の人口は3640万人と増加して、総人口に占める割合は29.1%で過去最高で世界一になりました。

 

スウェーデンは寝たきりが少ないのは何故?

北欧のスウェーデンと言えば、遠い遠い国のイメージですが、IKEAの進出で家具やインテリアを通じてかなり身近な国になって来ました。

スウェーデンの国旗を見たらIKEAしか思い浮かべられません。

たまにIKEAに行くと生活する楽しさを肌で感じる事が出来ます。

日照時間の少ないと言われる北欧は家の中での快適さやくつろぎを世界に教えてくれているようです。

そんなスウェーデンは、日本より平均寿命が2歳くらいしか変わらないのになぜ、寝たきりが少ないのでしょうか?

スウェーデンの寝たきり高齢者はほとんどいないと言われていますし、スウェーデン在住の「北欧研究室」のヨウコさんも、同じように言っていました。

高齢の親と同居しないスウェーデン

日本の高齢の親と同居している率は2009年には43.2%で、これでも1980年には70%ぐらいでしたので減っています。(内閣府HP参照)

ところがスウェーデンは、いつからなのかは疑問ですが、 4%で、殆ど高齢の親と同居していません。

それと並行してスウェーデンでは専業主婦率が低くて日本は専業主婦率が高いので、主婦が親を介護するという日本の事情が絡んでいます。

スウェーデンでは、子供が同居を拒んでいるわけではなく、スウェーデン独特の価値観があるのです。

日本でも、このような傾向はあると感じますが反対に子供さんのパラサイト化も随分前から問題になってますよね。

個人主義のスウェーデン

スウェーデンは個人主義で「自立した個人」が尊ばれる伝統があります。

義務教育を終えた16歳から親の家を出て一人暮らしが普通と言われています。

干渉を嫌い好きなようにしたい反面、家族と近くに住み、交流も盛んにする人も多いのです。

しかし、この考え方があっても高齢者の一人暮らしは、重い物や病院通いや、日常のお買い物など大変そうです。

介護のフォローが充実している

「北欧研究所」のヨウコさんたちの話では介護がとても充実しているとのことです。

目薬を1日に3回も毎日点しに来てくれるスタッフがいたりして、そんな介護スタッフに見守られながら、高齢者の方は生き生きと生活しています。

介護施設では日本とは反対でスパルタな感じで自分で出来る事は自分でやるように促すので、施設でも自立している高齢者が多いようです。

施設でもきちんと着替えて過ごしている方がほとんどといわれています。

そんな中でも、個人の要望を尊重してアルコールが欲しいと言われれば与えて人生を楽しんでもらう考えが介護側にあるのは、高齢者にとって嬉し事ではないでしょうか?

スウェーデンでは在宅介護が基本になっています。

そのための組織やシステムが「ホームレスパイト」というスウェーデン独自の介護者支援です。

平日も休日も無料で利用が出来ます。

子供と同居しなくても配偶者は介護しないといけなくなりますから、介護者の支援になるシステムは有難いですね。

75歳以上の高齢者の為に「何でも屋」が組織されて電球の取り替えなども行っているから助かります。
(スウェーデンにも何でも屋さんがあるのですね。)

スウェーデンでも、このような個人主義から一人暮らしも多く「孤独死」も発生していますが、人口の比率で考えても日本ほど多くないのです。

手厚い福祉だが税金は高い

日本よりも消費税などは25%と日本の倍以上だが、スウェーデンでは色んなものが無償化していたり他の税金などと比べると、どちらが負担が大きいかは一概にいえないようです。

ヨウコさんたちの在住者の話だと、スウェーデンでも、1990年頃に経済危機があり経費がかかりがちな介護施設などを民間に移行する措置をとっていったために、サービスの低下が問題になっているとのことでした。

民間になると、どうしても利益優先になります。

日本で調べる情報は、スウェーデンの福祉国家の良さを謳っている情報も多いのですが実際はスウェーデンも高齢化が進んでいます。

介護分野を移民の人達に頼っていて、移民の人たちがその仕事に見合った給与をもらっているかが議論されています。

北欧全体で無理な延命治療が見直されてきた

40年ほど前までは、スウェーデンでも延命治療が行われていましたが、胃ろうなどの治療に疑問視する声が上がりました。

今は殆ど、行われていないのが現状で、先進国の日本でまだ行われている事に驚いている人も多い様です。

最近は日本でも自分で希望を出したり、家族で延命治療の事を話し合う機会を持っているような話も聞くようになりました。

病院でも家族に同意を求めるようになってきましたが(意外と治療法など専門用語で聞いても、どの様な治療なのか素人にはわかりずらいものです。)

人生は楽しむためにある

スウェーデンのこのような考え方は素敵だと思います。

このような考えのもとに介護が行われていたり福祉が行われています。

この自立を尊重する姿勢と、必要以上の延命治療を国民が望んでいない事、そして施設利用よりヘルパー派遣の方が経費がまだ少なくて済む(ヨウコさんたち在住者の感想です)のかも知れません。

どこの国も問題に直面している

日本は世界一長寿国で、寝たきり国で、65歳以上の人口が全体の29%という世界一の高齢国家になってしまいました。

しかし、スウェーデンでも同じように試行錯誤しながら進めて来たのがわかります。

スウェーデンでは、今65歳以上からしか入れないアパートがたくさん建設されてコミュニティのある場所も併設しているそうです。

保育所と介護施設の併設などの建設も進み、日本と同じ展開をしているのに驚きました。

同じように福祉や介護問題に取り組んでいるのですね。

それでも、スウェーデンの良さも今回よくわかりました。

気に入ったのは、

人生を最後まで楽しく生きる事

自分で出来る事は手を借りてもなるだけ挑戦する事

「北欧研究所」のヨウコさんたちはスウェーデンにいるからこそ日本の良さもわかるようです。

実際に何年も在住して生活している人の話は説得力がありますね。

そんな北欧研究所のYouTubeチャンネルはこちらです!

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まとめ

スウェーデンは漠然と福祉国家だと思っていました。

長寿国のたくさんの国が今後、介護の問題と高齢化の問題に直面します。

私も今は、高齢の母の家に電球を替えに行ったりしています。

私がお世話になる日も、そう遠くはなさそうです。