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【小麦ショック!9割は輸入だった】パン・麺類などはどうなるの?

東洋経済の2022年3月25日の記事に「小麦ショック!2割値上げの深刻影響」の記事がありました。

何となくTVや記事で今年に入ってから原油の高騰やアメリカ・カナダの昨年の夏の高温による品質低下等のために小麦が上がる話は耳にしていました。

ここにきて、ウクライナの情勢も加わり拍車がかかって来ました。

農林水産省は輸入小麦の売り渡し価格を4月から平均17.3%引き上げると発表しました。

私たち一般人には、どのような影響があるのでしょう?

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小麦の9割が輸入だった

日本で使われている小麦粉の9割が輸入だったとは、しっかり把握していませんでした。

美味しいうどん屋さんなどは「国産なのかな?」などと呑気にしていました。

海外から品質の良い小麦粉を日本政府として輸入しているので、政府はわざわざ発表するわけです。

半年ごとに見直される輸入小麦価格

過去2番目の1トン72530円の高値になっていると言われています。

9割が輸入なので国内の企業が困らないように政府がまとめて輸入を行っています。

このことを「国家貿易」といいます。

昨年の9月第2週から3月第1週までの平均買い付けを元4月からの売り渡しが決まります。

次は10月なのですが、その後からの買い付けで又、金額が決まります。

(参照:NHK HPより)

平均買い付け価格できまるので大手企業だと大体の価格は早目にわかるのでしょうか?

小麦粉をたくさん使う商売では10月の価格の高騰が心配されていました。

大きな原因は、アメリカやカナダで起きた高温、乾燥が起きた事で小麦は不作となったのが原因です。

ウクライナもロシアも小麦輸出大国の為、小麦の供給が世界的に滞るのではないかとの不安が一気に高まり、先物価格が上昇したと農林水産省は見ています。

過去一番の高値はいつ?

今回は過去2番目の高値と言われていますが、過去一番は2008年1トン76030円の10月の価格でした。

この時は豪州の不作が原因だったのと、2007年~2008年は世界食糧価値危機が叫ばれ、人口増加や食料のバイオ燃料への転用、原油価格の上昇の影響がありました。
(参照:Wikipedia)

しかし2009年の4月には1トン64750円、2009年10月には1トン49820円に下がっています。

その後は1トン50000円代が続いていました。(参照:JAcom)

高騰する原油価格

さて相変わらず高騰しているガソリンですが、過去最高の小麦価格の2008年も東京のガソリン価格は1L当たり182円でした。(参照:総務省統計局「東京都区部の自動車ガソリン」より)

2008年の後に原油価格や小麦価格はどーんと下がっていますが、今回はそうはならないのでしょうか?
前回と違うのはこの2年間ほどパンデミックで世界の動きが止まったり混乱していた事も大きく違いますしウクライナ情勢の影響もかなり受けています。

2008年は9月に起きたリーマンショックで原油の高騰後には世界的に石油需要が落ち込んだことなどで原油価格は急落していったと言われています。

(参照:経済産業省資源エネルギー庁HPより)

パン・麺類・粉もんの影響

日テレのニュースによると、長崎のチャンポン麺などを生産している白雪食品の社長 石本仁太郎さんのお話がありました。

「小麦粉の仕入れメーカーからは10%程度の値上げを打診されています。

ここまでいろんな物の値段が上がると言うのは、かつて我々が経験したことのないような価格の上がり方になっている。

今後は試行錯誤しながらやっていくしかない。」

来月以降は麺類価格の値上げを検討しているとのことです。

小麦粉を使っているところは全て影響があると予想されています。

まして原油、電気、ガスの値上がりで、どの製品にも影響が出るという事です。

大手パンメーカーは?

山崎パンは2022年1月1日の出荷分から出荷価格を7.3%に値上げしています。

敷島パンも242品目を平均6.7%値上げ、フジパンも254品目を平均8%引き上げ。

全国のパン屋さんにもかなり影響がでていると思われます。

今後の小麦粉の値段次第では次の10月の価格決定は毎月の買い付けの価格で決まっていきます。

最近、近くのショッピングモールの中のパン屋さんを覗いたら、コロナの影響もあり陳列が変わっていて、ガラスケースに入っていました。

前はトレイにパンが陳列されていましたが、ガラスケース以外のパンは袋に入れられていました。

手間もコストもかかっている印象で、商品も高くなっていました。

いつも買うパンを買いましたが、一回り小さくなっていました。(悲しい)

地方もかなり影響を感じました。

経営側も苦戦しているのが伝わってきます。

高級食パンブームは去って良かった?

そんな中で影響を受けそうな「高級食パン」ブームが2018年ごろから流行りました。

高級食パンの顔でもある「乃が美」でも21年2月にオープンした「はなれ 鈴鹿販売店」が1年もたたないうちに閉店しました。

地方でもブームはやってきて1本1000円くらいの「ふわふわで甘いパン」がいろんなところに出来ましたが、行列も見なくなったようです。

ブームにしては4年間ぐらいはあったので長い方で、マリトッツォは1年ぐらいでした。

もちろんフルーツサンドなども一緒に販売して伸び続けているお店もあります。

「プチ贅沢」ブームの中で起きた「高級食パン」ブームですが、パン自体は食事やおやつとして価格があがっても消えようがありません。

流行ったのはアイテムが少なくて取り掛かりやすかったのもあるかも知れませんね。

サックッとオープンして稼いで、サックッと閉店させた方も多かったのではないでしょうか?(波に乗るのが早い人いますよね)

ただここに来て「小麦ショック」ですから、撤退の良い時期だった印象を持ちます。

小麦粉が原料の商品にも影響

小麦の割合が高いものから順に値上げが始まりそうです。

日清食品は6月から即席めんのカップ麺「カップヌードル」の値上げに踏み切るが、昨年の10月の売り渡し価格を受けたものだと言われているのです。

今回の4月の決定で今後どうなるのか不安になりました。

パスタや、小麦を使った加工食品は多いので、いつの間にか良く買っていたものが高くなっているということになるのかも知れませんね。

小麦粉を使う他の加工商品

*ケーキ

*和菓子

*カステラ

*ビスケットやクッキー類

小麦粉だけでなく加工品は食用油などの値上げや物流コストなどでも影響は受ける。

(好きなものばかりですね。)

悲報!42年で初のうまい棒の値上げ

こちらは、小麦ではなくコーンや食用油、人件費、物流費、包装資材などの高騰で2022年4月1日から、42年の歴史で初の値上げになります。

「10円」から「12円」になりますが、税込み12円で売るところと税込み13円で売るところに分かれそうです。

子供たちがなるだけ安く買えるように1本買っても消費税のかからない12円にしたのではないかと言う説もあります。

42年で初めての値上げとは今回のいろいろな値上げの象徴ですね。

社内で随分議論された結果の値上げだったのでしょう。

この10円で買える「うまい棒」は子供たちにとって少ない金額でも唯一買える「10円の満足感」を感じさせるおやつだったと思います。

何だか賃金も上がっていない中のこの変化は悲しいです。

6年ぶりの円安&インフレ突入も影響しそう

2022年3月30日のJIJI.COM時事通信社の記事によると、鈴木俊一財務相は記者会見で、6年7か月ぶりに一時1ドル=125円まで下落した円相場の動きに警戒感を示した。

「悪い円安」と呼ばれています。

輸出による恩恵が少ないと言われる中、輸入品は値上がりしますから今年の庶民の家計には影響大のようです。

ある時期、TVでは1万円生活などの究極の節約バラエティー番組が流行りましたが、今年はみんなでこぞって節約して世界情勢や金融を見守るしかないようですね。

私自身は子供の頃にオイルショックを経験していてトイレットペーパーなど買いにいかされた記憶があります。

昨年からいろんなショックが続いていて、私たち庶民は家の巣ごもりで誰とも合わないモードが緩んだかも?という時期に節約モードに搔き立てられています。

食料品だけではなく木材まで高騰しているのはご存じですか?
「ウッドショック」の記事はこちらです!

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まとめ

家でじっとしているうちに物価が高騰しだして、ウクライナ情勢の問題まで浮上して来ました。

ガソリンも高いので無駄なドライブは贅沢に感じます。

パンデミックが起きた最初の頃にも思いましたが「世界は繋がって影響しあっているんだ。」と思いました。

円安も加わり一体どんな日本になっていくのだろうと思ったりしますが、どんな状況になっても知恵をしぼり楽しく暮らしていくしかありません。