2022年5月12日放送の「所さん!事件ですよ」で旧型のプリウスの盗難と温水器トイレの盗難について紹介されました!
実は、この二つの盗難は「パラジウム」と「半導体」の不足が原因での盗難だったのです。
目次
何故?急増ハイブリッド旧型の盗難
旧型プリウスの「触媒コンバーター」部分にある金属の「パラジウム」を盗む為に、旧型プリウスが盗難被害にあっているといいます。
「触媒コンバーター」とは車の下についていてマフラーに繋がれています。
排ガスに含まれる有害物質を浄化する装置になっています。
電気自動車以外の車に多く付けられていて、プリウスの旧型には多く使われています。
集合住宅の駐車場などでも盗難が相次いでいます。
パラジウムとはどんな金属?
愛知県名古屋市の車修理工場の担当の有馬祐介さんが詳しく説明してくれました。
パラジウムとはレアメタルであり、前は安かったパラジウムが近年は高騰しています。
パラジウムは有害物質を浄化する働きがあります。
パラジウムとはプラチナと同属の白金族といわれていて、カナダ、アメリカ、ロシア、南アフリカでしか採れない金属なのです。
触媒コンバーターは新しいプリウスでは97800円の部品ですが、旧型の部品は212000円の価格で取引されています。
なんとプリウスの中古車価格と同じものもあるというから驚きです。
窃盗団はどうやってお金にするのか?
闇ルートに流したり、ネットで売りさばいているといいます。
ネットを覗いてみると高値で取引されていました。
日本だけでなく世界中で「触媒コンバーター」が盗難されていたのです。
アメリカの中古車販売店では一晩で、40個以上の「触媒コンバーター」が昨年盗まれました。
金より高いパラジウムのお値段は?
今のパラジウムの価格は、1g 10,000円位になっています。
(取材当日価格は1g 10,644円でした。)
金が1g 8000円位なのでいかに高いのかが理解できます。
投資目的に買う人もいそうですね。
ヨーロッパでは2015年頃から環境問題からディーゼル車からガソリン車にシフトする動きから、パラジウムの需要拡大で価格が高騰したのです。
そんな中、始まったのはウクライナ問題で、ロシアのパラジウム生産量は世界で4割を占めますので、益々価格高騰がささやかれています。
パラジウムは2004年には1g 1000円以下で安物のイメージが強かったのが2016年頃から高騰し始めました。
パラジウムの8割が自動車の「触媒」に使われていると言います。
パラジウム高騰で歯の治療も値上げ
パラジウムの高騰は意外なところにも影響が出ているのです。
神奈川県横須賀市の歯科医院 院長、田中敏章さんが説明してくれました。
実は今「銀歯」の価格が高騰していて、12年前までは奥歯の銀歯治療で3割負担で2,600円位だったのが現在は5,300円を超えています。
銀歯にはパラジウムが20%含まれた「金属パラジウム合金」が使われているのが原因です。
最近は患者さんの負担が増えて治療を断念する方もいて、経済格差が健康格差につながっているんではないかと院長は心配していました。
所さんのコメント
車で言えば排気ガスを綺麗にしようとして必要とされているけれど、もとのエンジンで燃料を完全燃焼するものを作ればいいわけ!
不完全燃焼の車ばっかりだから、そっちをちゃんとやりなさい!って話なんだよ。
燃料やオイルを考えたほうがいいって話!
と、メカ好きな所さんは熱く語ってました。
プラチナの方が人気があるのはパラジウムが軽いので重厚感がなく指輪等には人気はないようです。
結婚指輪など、日本人がプラチナが好きなのは美智子様がご成婚の時にプラチナのティアラを着用されたことから、結婚=プラチナのイメージが日本に根付いたと言われています。
温水洗浄便座の盗難が相次ぐ謎
昨年の春頃に住宅資材の倉庫から75台の「温水洗浄便座」が盗まれました。
大分のホームセンターでも7台の「温水洗浄便座」が盗まれたのです。
家電量販店で尋ねてみると「温水洗浄便座」はありましたが入荷が2週間後、3週間後と張り紙がしてあるのです。
量販店によると昨年ぐらいから「温水洗浄便座」が品薄になっていて転売目的の悪質な買占めを防ぐ為にも転売目的禁止の貼り紙までされていました。
なぜ商品が品薄状態なのか?
実は今、世界的な半導体不足が続いているのが原因だと言われています。
ガス給湯器や電話機や温水洗浄便座も含めて半導体が使用されている商品が品薄になっているのです。
温水洗浄便座に使われている半導体は温度やノズルの位置、水量、水圧などを調節する役目があるのです。
この半導体が不足しているために色々な商品に影響が出ているのです。
なぜ半導体が不足しているのか?
半誘導体調査研究所 代表 清水洋治さんが詳しく教えてくれました。
コロナで半誘導体需要が増えたことが原因であり、「産業の脳」と言われる」半導体は、パソコンやゲーム機などに多く使われています。
スマートフォン1台にも半導体50個程使われているのです。
ロックダウンの影響で工場が稼働せずに需要があるのに供給がひっ迫してしまいました。
半導体の不足は数か月や1年で終わるようなものではないと清水さんは、いいます。
大量のニセモノ半導体が横行していた
電気製品 分析・評価会社 高森圭さんが詳しく話してくれました。
半導体が不足する中、ニセモノにX線を当てると中味が見えるので違いがわかるようになっています。
怖い事に市場に出回っているのが全体の2割〜3割が模倣品だと言います。
ニセモノだと危険が生じる
ニセモノだと作動しなかったり最悪は発火の恐れまであります。
メーカーも半導体が欲しいがニセモノかどうなのか調べないとメーカーはリコール問題に発展するので大丈夫かどうか確認しているのです。
高森さんの会社ではこれまで500件調べた中で2~3割はニセモノだったということです。
半導体不足の中ネットでの注文
メーカーも半導体不足の中、海外などのネットでの注文に頼らないとならないのです。
半導体の商品が正規品なのか確認しているために、高森さんの会社への問い合わせ数が増えています。
トイレ芸人 佐藤満春さんの雑学
開発時に温水洗浄便座の半導体と集積回路が液体に弱くてショートしやすかったので悩んでいたそうです。
なので半導体などをコーティングする技術が必要でした。
そんな時に開発者の方が外に出ると雨の中でも信号機が点滅する姿を見て、この技術を使おうと信号機を作っている会社に出向いて頭を下げて教えて貰ったので開発することが出来たのです。
熊本の台湾の半導体大手TSMC
半導体はどうやら2024年まで不足が続くと言われています。
熊本県に台湾のTSMCが誘致され着々と進んでいるようですが半導体不足の解決にならないのでしょうか?
2022年3月1日の読売新聞では
台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループの合弁会社は28日、熊本県に建設する半導体工場について、今年4月に着工し、2023年9月までに完成させる計画を明らかにした。台湾から技術者約300人を受け入れる方針も示し、24年12月の出荷開始を見込んでいる。
とありました。
2~3年は、いろいろと設備資材なども半導体を使った商品は厳しくなりそうですね。

⇑ 黒いタイヤが突然、飛んで来たらどうしますか?
まとめ
知り合いの建築業者の方が、ガスの給湯器や色んなものが入ってこなくて困っていると言ってました。
もともと、環境の為にヨーロッパでディーゼル車からガソリン車にシフトしたことで盗難が増えるなんて変な話ですね。
半導体もしっかりコロナの影響を受けていたのです。
家でゴロゴロしていたら世の中がどんどん変わって行きますね。
取り合えず歯医者にかからないように歯磨きを頑張ります。